• あり得ない取り組みの先にあり得ない結果はある。信州安曇野で果樹栽培をしています。

2025年のトウモロコシ販売

 今年のトウモロコシ販売の目標のひとつに、紅白のセットを実現することがあった。

 前回、大和ルージュやピュアホワイトの熟期を逆算して同時収穫・販売することを目指したが、うまくいかなかった。大和ルージュがだいたい100日を要し、ピュアホワイトやホワイトレディーは85日だから白い品種は15日遅れで播種すればほぼ同時期の収穫になるかもしれない…などと単純計算してやっていた。

 だがそう簡単にはいかなかった。それもそのはず、その時の天候というか波があるのだから同時収穫を目指そうとしても、それぞれの品種が予定通りに生育するわけではない。バラついても大丈夫なようにと、ある程度グループ分けして同時収穫を目指したが失敗に終わった。

 実は敬老の日あたりに「トウモロコシの紅白セット」で販売して、お祝いのムードにのせて販売しようと目論んでいたのだった。

 今年は大和ルージュを2週間ずつずらしたグループで播種して、遅れてホワイトレディーとピュアホワイトを一斉に播種してみた。

 あまり数は多くなかったが、セットでの販売を可能にした。しかし、なかなか難しくて思ったほどの数はできなかった(写真は直売所に掲げたポップ)。

 原因としては早めにスタートした大和ルージュの主たるグループは、本来の発色が得られない状況だった。8月から9月に入っても高温状態が続き、明け方になっても気温が下がらない状態が続いたことが原因と思われる。粒の先端部分から赤くなってきたが、全体に行き渡らず直売所に並べることができなかった。全体が真っ赤な色になってこその「大和ルージュ」なのに、色づきが悪くてはイメージが悪いので断念した。 

 ある時、直売所に大和ルージュを並べていたら、お客様から「これは食べられるトウモロコシですか?」と聞かれたのにはショックを受けた。テレビなどで報道されていてもまだまだ知らない人も多いと実感した。

 それでも今年は少ない数ではあったが、紅白のトウモロコシのセットでの販売ができたので、目標のひとつは達成できた。

 もう一つは、昨年は害虫(特にアワノメイガ)にかなり悩まされ、収穫の喜びはどこへやら、検品していても(虫による食害で)とても残念な気持ちになっていた。今年はかなり封じ込めができたことは良かった。息子に進められて使った「STゼンターリ」が役立った。オーガニック栽培にも認められている天然成分由来の殺虫剤で、栽培期間中から収穫前日まで何度でも使用できる。多少手間がかかるが雄穂の出る少し前から収穫までの間、こまめに散布していれば被害の軽減になることが実感できた。

 さらには、トウモロコシの収穫時期が迫ってきたころ、アブラムシがかなり目立ってきた。これに対しては、やはり天然素材のアーリセーフを使用した。アブラムシには界面活性作用のある洗剤を希釈して使用しても良いだろうが、今回はアーリセーフに頼ることにした。

 大和ルージュに関しては、トウモロコシの粒だけでなく、芯やヒゲにも存在するアントシアニンを摂取すべく、炊き込みご飯やヒゲ茶などの提案もしながら訴求効果に期待したが、その点はまだまだアピールが足りないかもしれない。どうしても甘さが求められるのだろう、ホワイトレディーなどと比較してもらうとお客様からは「白いトウモロコシがほしい」と言われる。

 私が子供の頃は、夏休みに学校のプールに行って帰ってくると、自宅近くに迫るころには母親がゆでておいてくれたトウモロコシのにおいが家の外にもしていた。最近はそうしたトウモロコシの香りに出会っていない気がする。祭りやイベントの屋台で焼かれているトウモロコシでさえ、焼けた醤油の香りに負けてそれらしさを失っているように思えてならない。私が年をとって鈍くなっているのかな?

 昔はスイートコーンなどはなく、トウモロコシを生で食べるなど考えたこともなかった。時代の変化とともにお客様の要求も変わるのだから懐かしがっていても仕方ない。求められるものを求めることも大切なので、来シーズンは甘いトウモロコシをもっと作りたい。

4月22日

 大和ルージュの第1グループの播種を行った。とりあえず300として様子を見ることにした。発芽したのは昨年よりも少し遅めで11日目の5月2日だった。発芽までは問題ないだろうと思い遮光のビニールハウスの中に入れた。適切な保温はできないかもしれないが、ハウス内の高い場所に並べていた。

5月11日

 第2グループとしてホワイトレディーの種を播いた。第1グループの定植に備えて牛糞堆肥を土に混ぜて畝を立てマルチを敷いて穴をあけた。間隔は350mm程度とした。

5月18日

 第1グループを定植した(播種より27日目)。この日、第2グループとして播種したホワイトレディーが発芽した。これは8日目であり、第1グループ(大和ルージュ)の発芽が11日目だったことから考えてホワイトルージュの方が少し早めに発芽したことになる。第2グループは5月28日(播種から18日目)に定植した。

6月1日

 第3グループ(ピュアホワイト)を播種した。これは6月8日に発芽したので7日目の発芽ということになる。

 その後は第4グループ(大和ルージュ)、第5グループ(大和ルージュ)、第6グループ(大和ルージュ)を播種・定植した。

第1グループ(大和ルージュ)は104日目に収穫。

第2グループ(ホワイトレディ)は85日目から収穫。

第3グループ(ピュアホワイト)は83日目から収穫。

第4グループ(大和ルージュ)は97日目より収穫。

第5グループ(大和ルージュ)は93日目に収穫。

第6グループ(大和ルージュ)は91日目に収穫。

 大和ルージュは昼夜の寒暖差がないと色づきが悪かった。そのため早めの収穫を狙っていた第一グループは収穫できず100日を超えてからの収穫となった。トウモロコシの苞葉の緑色がすこし枯れかけて茶色になり始める頃には、充実していた実の部分もやや硬めになり水分が少なくなるためか、ひどいものは張っていた実にしわがよってくるので注意が必要だ。残暑が厳しいと難しい。

 次回への課題がいくつか見えてきた。